ジャイロセンサーやプロセッサを搭載し、機体の姿勢制御を行う基板です。受信機から届いた操縦指示と、センサーが検出した機体の動きをもとに、各モーターの出力を計算します。
FC基板には、受信機、VTX、GPS、ブザー、LEDなどを接続するためのはんだ付けパッドやコネクターがあります。基板によって使用できる電圧や接続方法が異なるため、配線図の確認が欠かせません。
FCへUSBを接続できても、必ずしも基板全体が正常とは限りません。USBから給電される回路と、バッテリーから給電される回路が別になっている製品もあるためです。
バッテリーから供給された電力を使い、モーターを回転させる基板です。
クアッドコプター用の4-in-1 ESCには、4基分のESC回路が搭載されています。それぞれの回路が、対応するモーターへ流す電流を高速に切り替えています。
ESC基板には非常に大きな電流が流れます。モーター配線のショート、ネジによるモーター巻線の損傷、適合しないプロペラなどが原因で焼損することがあります。
FPVカメラの映像を、ゴーグルや受信機へ送信するための基板です。
アナログVTXでは映像信号を指定された周波数の電波に変換します。デジタルVTXでは、映像の圧縮、データ処理、無線通信、録画など、より多くの処理を行います。
VTXは使用中に熱を発生します。特に高出力設定では発熱が大きくなるため、通電したまま長時間机の上へ放置しないようにします。
基板に入力された情報を処理し、決められた動作を実行する小型コンピューターです。Microcontroller Unitの略です。
FCでは、ジャイロセンサーや受信機から情報を読み取り、各モーターへ送る出力を計算します。また、OSD、VTX制御、GPS、LEDなどの処理も行います。
パソコンのCPUに近い役割ですが、特定の機器を制御するために作られた部品と考えると分かりやすいでしょう。
STMicroelectronics社が開発しているマイクロコントローラーのシリーズです。
多くのFPV用FCではSTM32シリーズが使用されています。「STM32F405」「STM32F722」「STM32H743」など、製品名によって性能や内蔵機能が異なります。
BetaflightのファームウェアはFC基板の種類に合わせて作られているため、同じSTM32を使用していても別のFC用ファームウェアを書き込んではいけません。
STM32F4シリーズに属するMCUを搭載したFCを、FPV分野では一般的に「F4 FC」と呼びます。
Betaflightを動作させるために十分な性能を持ち、多くのFCで使用されてきました。製品によってUART数、フラッシュメモリー容量、USB機能などが異なります。
「F4」という名称だけでFC全体の性能は判断できません。使用している具体的なMCUと基板設計の両方を確認する必要があります。
STM32F7シリーズのMCUで、一般的にはF4シリーズより高い処理性能を持ちます。
高速な制御処理や、多数の周辺機器を使用するFCで採用されています。また、UART信号の反転処理に柔軟に対応できる製品が多く、SBUSなどの接続で扱いやすいことがあります。
ただし、F7だから必ず飛行性能が向上するわけではありません。機体の調整、センサー、基板設計なども飛行性能に影響します。
STM32H7シリーズの高性能MCUです。F4やF7よりも高い処理能力と多くの機能を持つ製品があります。
複数のセンサー、大容量Blackbox、複雑なフィルター処理、多数のUARTなどを備える高機能FCで採用されています。
通常のFPV飛行では、H7の性能をすべて必要とするとは限りません。高性能であることと、設定しやすさや故障しにくさは別の問題です。
電気の流れを高速でオン・オフする半導体部品です。ESCでは、モーターへ流す大電流を制御する重要な役割を持ちます。
ブラシレスモーター1基を制御するには、一般的に複数のMOSFETが必要です。4-in-1 ESCには、その回路が4基分搭載されています。
MOSFETがショート状態で壊れると、バッテリーを接続した瞬間にモーターが強く動いたり、モーターから音が出たり、基板が急激に発熱したりすることがあります。
MOSFETの表面が焦げていなくても、内部で故障している場合があります。
入力された電圧を、電子部品が使用できる安定した電圧へ変換する回路または部品です。
例えば、バッテリー電圧から5Vや3.3Vを作り、FC、受信機、GPSなどへ供給します。基板上に「5V」「9V」「3V3」と書かれたパッドがある場合、その電圧はレギュレーターによって作られていることがあります。
レギュレーターが故障すると、FCは動くが5V機器だけ動かない、USBでは接続できるがバッテリーでは起動しない、といった症状が起こります。
Battery Eliminator Circuitの略で、バッテリー電圧を受信機や周辺機器で使える電圧へ変換する回路です。
もともとは、受信機用の別バッテリーを不要にする回路という意味で使われました。FPVでは、5Vや9Vを作る電源回路を広くBECと呼びます。
「5V 2A BEC」と記載されている場合、5Vを出力し、条件を満たせば最大2A程度まで供給できることを意味します。ただし、常に最大値で使用できるとは限りません。
一般的には、スイッチング方式で電圧を変換する外付けBECを指します。
高い入力電圧から効率よく5Vや12Vなどを作れるため、発熱を抑えながら比較的大きな電流を供給できます。
メーカーによって名称の使い方が異なり、「UBEC」が特定の統一規格を表しているわけではありません。入力電圧、出力電圧、最大電流を個別に確認します。
一般的には、スイッチング方式のBECを意味します。Switching Battery Eliminator Circuitの略として使われます。
電圧の差を熱として捨てる方式より効率がよく、高いバッテリー電圧から電源を作る用途に適しています。
UBECとほぼ同じ意味で使われることもあり、メーカーごとの商品名に近い場合もあります。そのため、名称だけで性能を判断しないことが重要です。
直流電圧を別の直流電圧へ変換する回路です。
FPVドローンでは、バッテリー電圧から5V、9V、12Vなどを作るために使われます。FCに内蔵されているものだけでなく、外付け基板として追加することもできます。
入力電圧範囲、出力電圧、最大電流、変換効率を確認して選びます。
入力電圧より低い電圧を作るDC-DCコンバーターです。降圧コンバーターとも呼ばれます。
例えば、4Sバッテリーの電圧から5Vを作る用途に使われます。余分な電圧をすべて熱として捨てるのではなく、スイッチング動作によって効率よく変換します。
基本的には入力電圧より高い電圧を作ることはできません。
入力電圧より高い電圧を作るDC-DCコンバーターです。昇圧コンバーターとも呼ばれます。
例えば、1Sバッテリーから安定した5Vを作る用途などに使用できます。ただし、電圧を上げると入力側にはより大きな電流が必要になります。
出力できる電力には限界があるため、電圧だけでなく必要電流も計算する必要があります。
入力電圧が出力電圧より高い場合でも低い場合でも、一定の出力電圧を作れる回路です。
例えば、使用中に電圧が変化するバッテリーから安定した5Vを作る用途に適しています。英語ではBuck-Boost Converterなどと呼ばれます。
降圧または昇圧専用回路より複雑になるため、基板サイズ、発熱、変換効率なども確認します。
基本的に、電流を一方向へ流しやすくし、反対方向へは流れにくくする半導体部品です。
逆接保護、電源の切り替え、電圧スパイクの抑制など、さまざまな目的に使われます。種類によって動作速度、耐えられる電圧、流せる電流などが異なります。
ダイオードには向きがあります。外付けする場合は、部品の印や回路図を確認する必要があります。
電気を一時的に蓄え、必要に応じて放出する電子部品です。
FPVドローンでは、電源電圧の細かな変動をならしたり、ESCが発生させるノイズや電圧スパイクを抑えたりするために使われます。
容量は主にµF、耐圧はVで表されます。耐圧を超える電圧が加わると破損するため、使用するバッテリーの最大電圧より余裕のある製品を選びます。
コンデンサを付ければ、あらゆる電源トラブルが解決するわけではありません。配線、基板、モーターなどに故障がある場合は、原因そのものを直す必要があります。
比較的大きな容量を小さな部品で得られるコンデンサです。FPVでは、バッテリー入力部分へ取り付ける円筒形の部品が代表的です。
ESCから電源配線へ戻るノイズや急激な電圧変化を抑える目的で使われます。低ESRタイプがよく推奨されます。
多くの電解コンデンサにはプラスとマイナスの向きがあります。逆向きに接続すると、発熱、液漏れ、破裂する危険があります。
電流を流れにくくしたり、回路内の電圧を調整したりする電子部品です。
FCでは、信号線の状態を安定させる、LEDへ流れる電流を制限する、バッテリー電圧を測定できる範囲へ下げる、といった用途に使われます。
基板上の抵抗は非常に小さく、見た目だけで故障を判断するのは困難です。破損や脱落によって、特定の機能だけが動かなくなることもあります。
電流の変化を抑える性質を持つ電子部品です。コイルとも呼ばれます。
レギュレーターやDC-DCコンバーターでは、電圧を変換するための重要な部品として使用されます。また、コンデンサと組み合わせて電源ノイズを減らすためにも使われます。
基板上では、黒や灰色の四角い部品として見えることがあります。割れたり脱落したりすると、電源回路が正常に動かなくなる可能性があります。
インダクターの「L」とコンデンサの「C」を組み合わせたノイズ低減回路です。
電源に含まれる高周波ノイズを減らし、VTXやFPVカメラへ比較的きれいな電力を供給する目的などに使われます。
映像ノイズ対策として有効な場合がありますが、ノイズの原因がアンテナ、映像信号線、グランド配線などにある場合は改善しないこともあります。
一定以上の大きな電流が流れたときに回路を切断し、機器や配線を保護する部品です。
通常のFPV用FCやESCでは、交換式ヒューズが搭載されていない製品も多くあります。そのため、ショートすると基板のパターンやMOSFETが先に焼ける場合があります。
修理時の試験通電では、電流制限機能のある電源やスモークストッパーが、被害拡大の防止に役立ちます。
バッテリーのプラスとマイナスを逆に接続したとき、基板の破損を防ぐための回路です。
ダイオードやMOSFETなどを使って構成されます。ただし、すべてのFC、ESC、VTXに逆接保護が搭載されているわけではありません。
保護回路があっても、対応範囲を超える逆電圧や配線ミスから必ず守られるとは限りません。電源を入れる前の極性確認が基本です。
瞬間的に発生する高い電圧から、電子部品を守るための回路です。
TVSダイオード、コンデンサなどを使い、異常な電圧を吸収または逃がします。ESCやモーターが発生させる電圧変動への対策として使用されることがあります。
保護できる電圧やエネルギーには限界があります。大きなスパイクが繰り返されると、保護部品自体が故障する可能性もあります。
バッテリーから機体へ流れている電流を測定するための回路です。
BetaflightのOSDへ現在の消費電流や、飛行中に使用したおおよその容量を表示できます。多くの場合、ESC基板で電流を測り、その情報をFCへ送ります。
表示を正確にするには補正が必要なことがあります。また、センサーが測定できる上限を超えると正しく表示できません。
バッテリーや基板の電圧を測定するための回路です。
FCのMCUは高いバッテリー電圧を直接測れないため、抵抗を使って安全な範囲まで電圧を下げて測定します。その値をBetaflightが計算し、OSDなどへ表示します。
設定や部品の誤差によって、実際の電圧と表示値がずれる場合があります。必要に応じてテスターの測定値と比較して補正します。
基板や部品の温度を測定するセンサーです。
一部のESCではMOSFET付近の温度を監視し、テレメトリーとしてFCへ送信できます。異常な温度上昇を確認できれば、過負荷や冷却不足の発見に役立ちます。
表示される温度が、必ずしも最も熱いMOSFETそのものの温度とは限りません。センサーの取付位置によって実際の最高温度との差が生じます。
機体がどの方向へ、どのくらいの速さで回転しているかを検出するセンサーです。
FCはジャイロの情報を非常に短い間隔で読み取り、操縦者の指示どおりに機体が動くようモーター出力を補正します。アクロモードでも必須となる重要なセンサーです。
モーターやプロペラから強い振動が伝わると、ジャイロが機体の動きと振動を区別できなくなり、発振やモーター過熱の原因になります。
機体に加わる加速度や、重力の方向を測定するセンサーです。
FCは重力の方向を利用して、機体が水平からどの程度傾いているかを推定します。そのため、アングルモードやホライゾンモードで必要になります。
キャリブレーションがずれていると、水平な場所に置いても機体が傾こうとする場合があります。
Inertial Measurement Unitの略で、日本語では慣性計測装置と呼ばれます。
一般的なFPV用FCでは、ジャイロセンサーと加速度センサーを1つにまとめたチップをIMUと呼ぶことが多くあります。製品によっては複数のIMUを搭載しています。
「ジャイロ」と呼ばれている部品が、実際には加速度センサーも内蔵したIMUであることも珍しくありません。
周囲の気圧を測定し、その変化から高度の変化を推定するセンサーです。バロメーターとも呼ばれます。
高度が上がると一般的に気圧が低くなる性質を利用します。ただし、プロペラの風、室内の空調、天候の変化などでも測定値が変動します。
気圧センサーを搭載しただけで自動的に高度維持ができるわけではありません。対応するファームウェアと機能設定が必要です。
地球の磁気を測り、機体がどちらを向いているかを推定するセンサーです。コンパスまたは磁力計とも呼ばれます。
GPSを使用した航法や、自動帰還機能などで方角を判断するために利用されます。モーター、電源配線、磁石、鉄製ネジなどの影響を受けやすいセンサーです。
搭載位置や向きが正しくても、周囲の磁気の影響で誤った方角を示すことがあります。
電源を切ってもデータが消えない記憶装置です。
FCではファームウェアや設定の保存に使われます。また、別のフラッシュメモリーをBlackboxログの保存用として搭載する製品もあります。
容量が不足すると、新しいファームウェアの機能をすべて収録できない場合があります。
飛行中のジャイロ、PID、モーター出力、操縦入力などを記録するための保存領域です。
記録したデータをBlackbox Explorerなどで確認すると、振動、発振、デシンク、チューニング上の問題を詳しく分析できます。
FC内蔵のフラッシュメモリーへ保存する方式と、microSDカードへ保存する方式があります。容量がいっぱいになると新しいログを記録できないことがあります。
電子回路が一定のタイミングで動作するための基準信号を作る部品です。
水晶振動子やセラミック発振子などがあり、MCU、無線回路、映像回路などで利用されます。外観は小さな金属製または樹脂製の部品です。
発振子が破損すると、MCUが起動しない、USBが認識されない、通信周波数が安定しないといった症状につながる可能性があります。
電子回路の処理タイミングを決める周期的な信号です。
MCUはクロックに合わせて計算や通信処理を進めます。発振子はクロックの基準を作る部品であり、クロックはそこで作られるタイミング信号と考えると分かりやすいでしょう。
クロック設定や回路に問題があると、FCが起動できない場合や通信が不安定になる場合があります。
FCとパソコンを接続するための端子です。
ファームウェアの書き込み、Betaflight Appでの設定、Blackboxログの読み出しなどに使います。Micro USB、USB Type-Cなどの種類があります。
USBコネクターは横方向や上下方向からの力に弱く、無理にケーブルを動かすと端子や基板パッドが剥がれることがあります。
また、USBケーブルには「充電専用」と「データ通信対応」があります。FCへ電源が入ってもパソコンに認識されない場合は、最初にデータ通信対応ケーブルかどうかを確認します。
